「ほなそれでやってみよか」

「俺はどうしたらいい?」

「じゃあ、まず化燈籠をリアカーに乗せ、火を点けた時、動き出さないよう封印します。これは力仕事ですし、杜山さんとさんは待機で」

「わかった!」


子猫丸の指示の元、各四方向に燐、勝呂、子猫丸、志摩と付き、掛け声に合わせて化燈籠を持ち上げる。かなりの重さがあるのか、少々もたつきながらも慎重にリアカーへと乗せれば、子猫丸は手に付着した汚れを払いながら次の指示を下す。


「封印には化燈籠が封じられていた台座の四角にある札を使用し、化燈籠に直接張りつけ、札に対応した経を唱え続けます。これはこの経を完全に暗唱している坊が」

「おう」


一度頷き、勝呂が札を化燈籠に直接貼り付け経を唱える。歌の様に止めどなく唱え続ける経は、確かな安心を抱かせた。勝呂に任せていれば、問題無いだろう。


「そして火を点ける前に化燈籠の燃料を集めます。燃料には虫豸を使います。化燈籠の火は燃料が尽きると消えてしまうので、常に補給してやります。これは杜山さんが」

「横に付いてればいいの?」

「はい。お願いします」


燐がハンドライトの光で虫豸を集め、ある程度集まればしえみがリアカーに乗せられた化燈籠の隣に腰を下ろす。ライトの光で集まる虫豸に顔色を悪くする志摩を見て見ぬふりをして子猫丸が化燈籠に火を灯すと、辺りは一気に明るくなり視界が良くなった。


「さらに火を点けて明るくなると虫豸が集団で襲ってきます」

「わぁ、きた、きた。うわわわわ」

「これのガードを僕と志摩さん、さんの三人がかりでやります」


羽根の音をバタバタと鳴らし、化燈籠目掛けて一斉に飛んでくる虫豸に顔面蒼白になりながらも素早く錫杖を回転させて虫豸を撃退する志摩。言葉にもならないのか、悲鳴にも似た呻き声を上げて退治する志摩の隣で、数珠を手に掛ける子猫丸が経を読んで虫豸を滅する。


!使えよ!」

「ん」


燐から放り投げられる木刀を片手で受け取り、何度か柄の部分を握りなおして志摩同様、360度回転させながら虫豸を刻み落としていく。其の手馴れた動作に子猫丸は一度満足そうに笑みを浮かべると、最後の指示を燐に下すのだ。


「最後に6人の中で一番馬力のある人がリアカーを引く」

「ふん…ぬおおおお!!!!」


腹の底から声を出し、一人では到底運べそうにないリアカーを、速くは無いが確かに押し転がす燐に感嘆の声が漏れる。暫く使用していない所為か、軋むリアカーのタイヤが酷く耳に付いた。


「いやホントすごいわ。奥村くんてどこの星の人なんやろ…」

「ただ、まだ油断ならない難所が待ってるんですけど…」

「難所?」


虫豸を蹴散らし、破片が飛び散る中、志摩と子猫丸はリアカーを声を上げながら引いて進む燐を眺めて言葉を交わす。やけに意味深げに呟く子猫丸にも片眉を吊り上げるのだが、突如目の前が淡く光を放った事に気付くと意識は其方へ持っていかれるのだ。誰かが、花火を上げたらしい。


「誰かギブアップしたんかな」

「神木さんか宝くんか…」

「おい…!吊り橋だ!」


虫豸を払いながら志摩が言葉を零せば、虫豸を手掴みで化燈籠の中へと放り投げていくしえみが首を捻る。順調にリアカーを押し転がしていた燐も同じく花火の光を目にするが、其れよりも眼前に迫る吊り橋の姿に思わず足を止めるのだ。


「どうすんだコレ!!ハシゴ横にしたみてーな…リアカー転がせねーぞ!!」

「…リアカーどころか人も無事渡り切れるかどうか…」


酷く劣化した吊り橋は、底の板も疎らで一歩踏み出した瞬間崩れてしまいそうな程に脆く、とてもじゃないがリアカーの重みに耐え切れそうに無い。そもそも人間一人の重みの耐久も無さそうな其れは、先程子猫丸が零していた“難所”で間違い無いだろう。


「!?、!?…う゛う゛、う゛わ゛あ゛ーーーーい!!!!」


皆が立ち止まってボロい年季の入った吊り橋を眺めていれば、突如として志摩が絶叫を上げるのだから、全員肩を跳ねらせて振り返るのだ。完全に興奮状態の志摩は、吊り橋の下を凝視ながら錫杖を強く握って後退る。


「下下下!!ぎょーさんおるぅーーー!!!」

「うわッ」


血の気が引いて顔色の悪い志摩は目を彷徨わせ、吊り橋の下で敷き詰められ蠢く大量の幼虫の様な虫に鳥肌を立たせた。虫嫌いな志摩で無くとも、気持ちの悪い光景である。


「も…もも、も、もうダメや。フフフ…失禁したろか」

「もういっそ失禁すりゃスッキリすんじゃねーの?」

「奥村くん。益体ないこと言うたらあかんよ。失禁だけにしたら最後全てを失うんや」


虫沼を目にしてもうろたえない燐に、冷静に諭す子猫丸は強者だ。最早倒れそうな勢いの志摩の背後に、経を唱え続ける勝呂が立つと、勝呂は志摩の持つ錫杖を奪い取れば、虫の沼へと向かって大股で進んだ。


「あっ。坊!なにを…ぎゃあああい!!」


冷静な顔で、一定のトーンで経を唱え続け、錫杖を迷わず虫沼へと突き立てて何度か上下させて突く勝呂に志摩が絶叫を上げる。そんな志摩を尻目に子猫丸は門に貼られた札に気付くと逸早く其の札の意味を理解し周囲に気を配るのだ。


「カーンの種子字…ここにも何か封印されてます。皆、周りの札や縄には気を付けて!」

「…それにしても化燈籠どうやって運ぶ?」


勝呂は満足したのか錫杖を志摩へと返し、恐る恐る受け取った志摩が子猫丸に化燈籠を此れからどう運ぶべきかを問い掛ける。勝呂は鞄の中を漁り、スケッチブックとペンを取り出せば、すらすらと其の紙面に文字を描くのだ。


「?坊?」


考えがある、そう書かれた文字に皆が勝呂の持つスケッチブックを見る。化燈籠を封印を維持する為にも、経を唱え続けなればならない勝呂は言葉を話す事が出来ない。筆談になるのは当然の流れだった。但し、筆談に集中するあまり経を唱え間違っては元も子も無いのだが、其処は流石勝呂と言うべきか。心配は無用だったようだ。勝呂は次のページを捲り、真っ白な紙面にペンを走らせる。次に翳して見せられた文面は、化燈籠を自分で渡らせる、というものだった。


「どうやって!?」

「あ…!成程。…何となく判りました」

「???もっと判り易く言ってくれよ!」


驚愕し、首傾げる面々。しかし逸早く納得した様に顔を上げたのは、此の中では勝呂の次に優秀な子猫丸だ。勝呂は再び「図解する」と文字を書くと、スラスラとペンを走らせるのだ。経を唱えながら筆談、そして絵を描くなど高等な技術。しみじみと勝呂の頭の良さが窺える。


「なるほどね」


其の案に、思わずは感心の声を上げた。勝呂の作戦はこうだ。先ず全員が待機し、子猫丸とは吊り橋の上を歩いて渡り、燐がリアカーを担いで虫沼の中を歩いて渡る。先程志摩の錫杖で沼の深さを確認したが浅かった為に歩けると判断したのだ。向こう岸でリアカーの上に子猫丸が札を持ち、その隣でが待機。残った此方側の岸では志摩がしえみを肩車して待機しておき、勝呂が札を剥がして化燈籠を解き放つと、志摩はしえみを担いで向こう岸まで虫沼を走る。好物である女のしえみを追って化燈籠は自ら移動し沼を渡って、反対側の岸に着いた所で子猫丸が化燈籠に札を張り付け再び封印するというものだ。万が一、志摩が転倒等して化燈籠に襲われそうになれば、標的がに向く様にと保険をかけて、は子猫丸の隣に待機だそうだ。


「…あっはっはっはっは!」

「勝呂、絵すげーうめえな!!」

「…僕が札をはって封印するんですね」


志摩が勝呂の図に高笑いし、燐が興奮に鼻息荒く勝呂の絵に食いつく。表情一つ変えないものの親指を立てて猫のイラストを新たに書く勝呂は満更でも無い様子だ。皆が勝呂の案で行こうと頷く中、只一人納得できない男は馬鹿の様に笑っていた。


「俺に虫沼に浸かれ言うんですかぁ。はっはっは!しかも頭を杜山さんの太腿に挟まれて?」


爽やかに、遠くを見ながら笑う志摩に流石に異変を感じた面々が志摩を見る。すると志摩の両眼からは、静かに一筋の涙が零れ落ちた。


「往生しますよ。いろんな意味で」


結論、色々と駄目らしい。


「志摩さんは少し往生して煩悩を断った方がええよ」

「子猫さんまで!ヒドイ」

「…おい、俺がやるよ。もうめんどくせーから」


結局、勝呂の筋書きはそのままに、但し志摩は子猫丸、と共に先に吊り橋を渡って待機する事になり、燐がリアカーを置いた後、再び戻ってしえみを運ぶ事となるのだ。本来、一人一役として仕事が割り当てられた作戦だったのだが、志摩の所為で志摩は手持ち沙汰に、燐が二人分の仕事を成す事になる。


「ひぃいいい!!」

「ちょ、志摩さん引っ張らんとってよ!」

「待って子猫さん!見捨てんといて!」


所々、底の抜けた足場の悪い吊り橋を、子猫丸が先に進み、其の後ろを志摩が歩く。真下で蠢く虫を見ては、底が抜けて落下した時を思い、志摩は身震いをして悲鳴を上げるのだ。只でさえ安定しない吊り橋を慎重に進んでいるというのに、子猫丸の腕を掴んで、引け腰で進む志摩は大層格好悪かったが、其れを改めれる程、志摩に余裕は無かった。


「っひや!!」


まるで女子の様な悲鳴だった。子猫丸に腕を振り払われ、縋る手を無くした志摩が恐る恐ると踏み出した一歩の、足元が脆く砕ける音と共に重力に従って沈む足。終わったと、声すら出ずに息を呑んだ志摩だったが、其の足は虫沼に浸かる寸前で宙に止まった。


「…、さん…?」

「重い」


心許ない手摺の様に緩く張られたロープを掴み、反対の手で志摩の首根っこを掴んで志摩を引き止める。僅かに吊り橋が左右に揺れはしたものの、崩れ落ちる様子は無い。正面を向いて子猫丸の様子を窺ったが、子猫丸も手摺のロープを掴んで志摩とに振り返っていた。揺れで体勢を崩す様な事は無かったらしい。


「…た、助かった…」

「いいから早く立つ」


首が絞まって苦しいが、其れよりも間一髪で救われた此の状況に志摩は腰が抜けていた。蠢く虫から少しでも距離を取りたくて吊り橋から落ちていた足を引っ込めるものの、腰は以前と立たない。が咄嗟に掴まなければどうなっていた事だろう、そう思うと感謝しきれないというものだ。


「ありがとう…やっぱさんは菩薩や…」

「…放すよ」

「待って!立つ!立つから!!」


上から見下ろしながら睨みを利かすに慌てて志摩は立ち上がると、底の抜けた板を跨ぎ、其の向こうの足場へと足を出す。相変わらず虫沼に悲鳴を度々上げはしていたものの、無事に陸へと降立てば、志摩は肩に入っていた力を抜き、盛大に息を吐く。子猫丸はそんな志摩に見向きもしないでリアカーの上に札を持って向かいの岸でスタンバイをする燐と勝呂に大きく手を振るのだ。


「こっちは準備OKです!」

「ぎぃやああ…ブチブチブチて!すごい…!信じられへん」

「こっちもいいぞ!!」


しえみを肩車をし、虫沼の中へと迷わず踏み出して、鳥肌の立つような気味の悪い音を立てて前進する燐に志摩は口元を手で覆う。子猫丸が封印の為にリアカーで備え、其の隣にが立ち、しえみを担いだ燐が沼の中で勝呂に合図を出す。勝呂は双方の確認が取れたのなら、化燈籠の貼り付けていた札へと手を伸ばすのだ。


「よし、行け!」


経も止まり、札は剥がされ、封印から解き放たれた化燈籠は先ず正面、燐に担がれたしえみの姿を認識した。見間違えか、目をハートの形に変化させて決して可愛くは無い呻き声を上げながら一心不乱にしえみに向かって化燈籠は駆け出す。


「こっちだよー」

「なに呼んでんだ!」


そんな化燈籠から逃げる様に燐は懸命に足場の悪い虫沼の中を掛け続け、陽気な事にしえみは化燈籠を呼ぶのだが、燐は勿論其れ所では無かった。未だ場所が平地なら良かったものの、沼の中で人一人肩に担いでいるとなると、普段の様に上手く走れないのは当然だ。化燈籠との開いていた距離はあっという間に縮められ、背後まで迫る化燈籠に燐は顔を真っ青にさせて叫ぶ。


「子猫丸!!しえみ頼む!」


岸に直接体当たりをし、其の勢いで燐の肩からしえみが飛ぶ。リアカーの上に顔から飛び乗ってきたしえみを、地面に転がるよりも先にが腕を広げて抱き留めれば、其のまましえみを抱えてリアカーか飛び降り、脇へと身を潜める。


「カーン、稽首正無動尊秘密駝羅尼経!」


しえみが直線上から消えても、急に方向転換出来ずに勢い良くリアカーに飛び乗った化燈籠。タイミングを合わせて飛び上がった子猫丸は化燈籠に札を貼り付けると、素早く印を結んで経を唱える。瞬く間に大人しくなった化燈籠に皆が一斉に緊張を解くと、向かいの岸に残っていた勝呂は吊り橋を渡って此方へと向かって来るのだ。


「やった…!」

「燐!やったよ!」

「うまくいったな!」


経を唱えながら子猫丸は額の汗を拭い、志摩が拳を握って歓喜する。に抱き留められていたしえみは、の腕の中から未だ虫沼に両足を突っ込む燐に振り返り笑みを向けると、燐も笑みを浮かべるのだ。


「ありがとう、さん」


も化燈籠の様子にしえみを腕から開放すれば、頬を赤らめて笑みを零し、礼を言うしえみにはほんの少し表情を柔らかくさせるのだ。良い子だと、素直にそう思う。


「奥村くん、早よつかまり!」

「大丈夫大丈夫、これで一安心だな!!」


虫沼に浸かる燐に錫杖を差し出して志摩が歩み寄る。志摩なりの精一杯の手助けだったが、燐は其れを笑顔で断ると勢い良く飛び上がるのだ。岸に向かって飛び乗るつもりだったのだろう。しかし力が入りすぎてしまったらしい。大きく飛躍する燐の身体は吊り橋の前に設置された門に届く程に高く高く飛び上がる。燐が念の為にと持っていた木刀が門に結ばれていた太い縄を切り、ブチッと音を立てたなら、皆が呆然と燐と切れた縄を見上げた。瞬間、虫沼から長い触覚の様なものが三本飛び出し、燐の両腕と左足を捕らえて捲き付く。


「…おッッ、ぎゃあああああーーーー!!」

「なななにやってんやー!!」


絡み付く触覚に自由を奪われ、宙に捕らわれた燐は絶叫を上げ、岸に残されたを除く皆が、驚愕に声を上げて破顔する。封印されていた虫沼の下から幼虫を蹴散らしながら現れた巨大な蛾に、燐の両腕と片足に絡みつく其れは蛾の長い舌である事が分かる。


「大丈夫だ!倒してすぐ追いつくから!皆は先に行け!!夜が明けちまうぞ!急げ!」


両腕を拘束されれば木刀で応戦する事も叶わない。炎を使って倒すつもりなのだろう。皆の前では使えないから炎を使う為、離れるよう促す燐に、は込み上げてくる怒りを奥歯を噛み締めて堪えた。


「(直ぐに炎に頼るなと言ったばかりじゃない)」


しえみが虫豸に襲われた時に指摘した点を、こうもあっさりと繰り返されれば腹も立つと言うものだ。が一喝してやろうと口を開くが、其れよりも早く勝呂が低い声で唸りながら、燐を睨んだのなら、は其の場を勝呂に任せて喉まで出ていた言葉を飲む込む。


「お前は…またそれか…!」

「悪りぃ!」

「阿呆が!」


一段と大きな声で勝呂は怒鳴った。


「助けるに決まっとるやろ!!」


燐の表情から笑みが消え、勝呂は素早く志摩へと手を突き出す。


「志摩!キリク!!あと逃げる準備しとけ!!」

「はい!!」


錫杖を勝呂へ手渡し、志摩、子猫丸はリアカーに駆け寄り、しえみは化燈籠に虫豸を与える為に化燈籠と共にリアカーへと飛び乗る。勝呂は落ちていた札を錫杖の先に突き立て真っ直ぐと巨大な蛾の顔に錫杖を投げれば、其の切っ先は蛾の顔にしっかりと突き刺さるのだ。


「ノウマクサンマンダ、バサラダニカン!カンマーン」


素早く印を結び、経を唱える勝呂に、反応する様に眩い光とけたたましい音を立てる錫杖。怯んだ蛾は燐を拘束していた舌を引っ込め、燐は再び虫沼へと落下する。


「す…すげぇーーー!!」

「早よ来い!俺にはこれが限界や!!」

「え?倒してねーの?」


唖然とする燐を虫沼から引き上げ、踵を返して全力で勝呂と燐は走り出し、其の後ろをは追う。


「逃げろォーーー!!!」

「うおおおお!!」


リアカーを引いていた志摩と子猫丸が燐と交代し、燐が全力でリアカーを走らせる。並行して走る勝呂、志摩、子猫丸は後ろに振り返る余裕も無く唯前を向いて走った。


「ありがとな!!」

「別に借り返しただけや!」

「借り!?」


燐と勝呂の会話を聞きながら、は背後を振り返り蛾の様子を伺う。勝呂の術が効いているのか苦しげな奇声を上げる蛾が沼の中で羽根を忙しなく動かし幼虫達を散らしている。


「俺はお前に救われたんや。俺と同じ“サタンを倒す”なんてガキ臭い野望を…恥ずかし気もなく言うお前にな…!」


勝呂の言葉は、燐にはどのように聞こえただろう。昔から周囲に恐れられ、孤独だった燐には、其れはどれだけ温かかっただろうか。燐を想えば湧いてくる感情に、は周囲の視線が前へと集中している事を良い事に、ほんの少しの細やかな手助けをする。


「縛道の四、這縄」


誰の耳にも届かぬ様な小さな声で放った鬼道。縄状の霊子が蛾の身体に這う様に纏わりつき、身動きが出来ぬ様に拘束する。低級の縛道ではあるが、暫しの時間稼ぎ程度にはなるだろう。










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